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ニュースレターNo.55/2013年11月発行

第24回JPNICオープンポリシーミーティング報告

関連記事 「第66回RIPEミーティング報告

2013年6月18日(火)に、東京・アーバンネット神田カンファレンスにて、第24回JPNICオープンポリシーミーティング(JPOPM)を開催いたしました。

JPOPMは、日本においてIPアドレス、AS番号等のインターネット資源に関する管理ポリシーを検討・調整し、コミュニティにおけるコンセンサスを形成するための議論の場です。JPNICとは独立した組織であるポリシーワーキンググループ(ポリシーWG)の主催により、年に2回開催しています。ミーティングのプログラムは、ご応募いただいたポリシー提案や情報提供プレゼンテーションから構成しています。今回は、ポリシー提案の応募は無く、情報提供プレゼンテーションの応募が数件ありました。

ミーティングには、オンサイトで31名(関係者含まず)の皆様にご参加いただきました。今回も、JPNICの協力により、映像ストリーミング、Jabberチャット、Twitterによるリモート参加環境を構築しました。ストリーミングにおいては、各プログラムを通じて同時視聴が20程度ありました。

提案の無かったミーティング

今回のJPOPMではポリシーの提案がありませんでしたが、これは過去のJPOPMの開催でも数えるほどしか無かったことです。

ポリシーデベロップメントプロセスの観点で考えた場合、提案が無い場合は、一見ミーティングを開催する意義が小さいように思われるかも知れません。しかし、実装勧告後のJPNICによる対応状況をお知らせする必要があったこと、および、昨今のインターネット番号資源の管理を取り巻く環境を鑑み、情報の共有がインターネットコミュニティにとって重要であると考えたことから、ミーティングを実施することに決めました。

ミーティング概要

当日のアジェンダは以下の通りです。

1. Global RIR Showcase (RIPE 66 Meeting Update)

  1. RIPE 66 全体報告
    橘俊男(ポリシーワーキンググループ/グリー株式会社)
  2. DNS-OARC/RIPE 66 DNS WG報告 + IPv6 Pollution Traffic Analysisの紹介
    藤原和典(株式会社日本レジストリサービス)
  3. MPTCP/IX関連トレンドの紹介
    堀内克昌(楽天株式会社)
  4. RIPEコミュニティでの取り組み・アドレスポリシー動向の紹介
    奥谷泉(JPNIC)
  5. パネルディスカッション
    橘俊男、藤原和典、堀内克昌、奥谷泉

2. JPPDP Update

橘俊男(ポリシーワーキンググループ)

3. JPNICにおけるポリシー施行ステータス

奥谷泉(JPNIC)

4. APNIC 35 Update

奥谷泉(JPNIC)

5. JPOPF Webサーバ移転について

谷崎文義(ポリシーワーキンググループ)

6. WCIT-12以降のインターネットガバナンスの動向

前村昌紀(JPNIC)

7. ITUコンサルテーションの紹介と対応のお願い

藤崎智宏(日本電信電話株式会社)

8. AS番号の移転(地域内/地域外)の必要性について

藤崎智宏(日本電信電話株式会社)

9. JPNICにおけるIPv4アドレス移転の対象範囲拡張について

川端宏生(JPNIC)

10. APNICにおけるポリシー策定プロセスの見直し

奥谷泉(JPNIC)

11. APNICからの相談事項の共有:IRR Routeオブジェクトの自動生成について

岡田雅之(JPNIC)

12. ISOCの最近の活動紹介

藤崎智宏(ISOC-JP)

13. Open Policy Hour

ポリシーワーキンググループ

午前中は「Global RIR Showcase」というタイトルで、主にヨーロッパ地域を担当するRIRのイベントである、RIPE 66 Meetingについて紹介しました。また、午後は通常のJPOPMのプログラムを、三つのブロックに分けて進行しました。

Global RIR Showcaseでは、ポリシーだけではなく、技術的な事項まで範囲を広げ、現地での発表の内容を実際に参加された皆様に発表いただきました。地域によって異なる、「コミュニティの運営手法」「集まっている人が持っている興味」「議論の進め方」等についてご紹介しました。加えて、発表者の方に参加への所感を述べていただくことを通じて、ミーティングの雰囲気をお伝えできたのではないかと思います。なお、RIPEミーティング自体の詳しい内容については、P.25からの「第66回RIPEミーティング報告」をご覧ください。

午後の最初は、現状のJPコミュニティにおけるポリシーの実装状況の報告、日本のコミュニティが所属するRIRであるAPNICが2013年2月末から3月初めにかけて開催した、APNIC 35カンファレンスに関する報告の後、JPOPFの運営に関する報告をしました。

次のブロックでは5件のプレゼンテーションがあり、そのうち初めの2件はインターネットガバナンスを取り巻く状況の報告およびお願いでした。続いて、JPNICのポリシーとして実装されていない、「AS番号の移転」についての情報提供と意見募集を行いました。2013年6月からIPv4アドレスの移転対象が拡大していることに関する発表では、手続きを含めて実務的な情報が提供されました。

APNIC 35カンファレンスにおいて、APNIC Policy-SIG co-chairからポリシーデベロップメントプロセスの現状の課題について問題提起があり、その内容の共有と議論が行われました。問題提起の内容にはプロセスにおけるコンセンサスの有無の判断に関すること、コンセンサスを得た後の確認のプロセスとそれに要する期間についてがありました。

最後のブロックでは、APNICが運用しているデータベースの情報の登録に関する提案についての情報共有、インターネット関連団体であるInternet Society(ISOC)の日本支部であるISOC-JPの活動紹介がありました。そして最後は、当フォーラムの運営に対するご意見をうかがうため、Open Policy Hourと題したオープンマイクを実施しました。

以下のURLにて、当日の発表資料を掲載中ですので、ご参照ください。

ポリシーWG、コ・チェア(Co-Chair)交代のご報告

ポリシーWGのコ・チェアについて、これまで担当いただいた、中川あきらさんから豊野剛さんへ交代することになりました。なお、今後も中川さんはメンバーとしてポリシーWGにとどまり、活動していただくことを補足します。

次回のJPNICオープンポリシーミーティングは、2013年11月26日(火)に、Internet Week2013と同時に開催します。

(ポリシーワーキンググループ/ グリー株式会社 橘俊男)


※1 rpki.net project site
https://trac.rpki.net/

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