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Fifth Update on .org Reassignment Process
翻訳文

(社)日本ネットワークインフォメーションセンター
最終更新[2002年9月18日]

この文書は2002年9月5日に公開された

http://www.icann.org/announcements/update-05sep02.htm

を翻訳したものです。
JPNICはこの翻訳を参考のために提供しますが、その品質に責任を負いません。


最新情報

2002年9月5日

.org再委任に関する最新情報(第5報)

本文書は、VeriSign社が2003年1月1日にその役割を終了するにあたり、.orgトップレベルドメイン登録事業者になることを希望する団体からICANNに寄せられた、11件の応募に対する評価の最新情報である。評価過程のこの他の情報については、7月25日付8月4日付8月21日付9月4日付発表の「最新情報」をご参照頂きたい。

Harold Feld氏、用法評価チームを辞任

用法評価チーム(非商用ドメイン名所有者部会参加者によって構成される)の共同議長の一人であるHarold Feld氏は2002年9月3日火曜日、RegisterORGanizationが提出した.org提案に関して利害相反があることに最近気付いたという旨を、ICANNの法律顧問に届け出た。この利害相反を理由に、Feld氏は用法評価チームをただちに辞任することを決定した。状況説明はFeld氏宛の法律顧問の返答でなされているが、その返答を以下に掲載する。

上記の状況を即刻明らかにした同氏の専門家としての意識、ならびに法律顧問の状況調査に応じた率直さに、ICANNは感謝申し上げる。


Media Access Project
Harold J. Feld様

利害相反に気付いたことにより、.org応募に関するNCDNHC(非商用ドメイン名所有者部会)評価委員会の任務をご自分が続けて遂行することは不適切であると考え、さらに委員会をただちに辞任したいという旨の、2002年9月3日付の貴殿の通知を受領・検討いたしました。

まず、今回の利害相反の発見にあたり専門家らしい態度で対処されたことに対して、深い敬意を表明いたします。状況に気付いた際にただちに申し出るのは貴殿にとって少なからずきまりの悪いことであったに違いありませんから、倫理面の考慮を最優先の指針とされたことを称賛申し上げます。また、私が行った詳しい状況調査に応じる際の率直さにも、非常に感謝いたします。

貴殿は、Milton Mueller氏と共にNCDNHC評価委員会(スタッフレポート(案)での呼称は「用法評価チーム」)の共同議長を務められました。委員会は3種類の用法評価基準に従って3つの小グループに分けられ、貴殿自身は基準5(対応と管理)に関与されました。共同議長であれば通常は3つの基準の点数を総合する過程に関わっていたはずですが、その作業の際に貴殿は休暇 中であったため参加なさいませんでした。

.org提案の一つであるRegisterORGanizationが提出した案では、250万ドルを2つの財団法人に分配し、技術能力の強化、デジタルデバイド(情報格差)の解消、政策の教育・支持、技術革新を通じて.orgコミュニティの成長を図るとしています。RegisterORGanizationが提案した2団体は、Benton FoundationとOpen Society Institute(OSI)のInformation Programでした。2002年9月3日貴殿は、Open Society Initiativeが実はMedia Access Projectに資金供給している団体の一つである(年およそ12万5千ドルの水準) ということに気付きました。それ以前は、(私の状況判断に基づくとそれは尤もですが)RegisterORGanizationの提案で言及されているOSIはMediaAccess Projectに資金提供を行っているOSIとは別の団体である、と貴殿は理解なさっていました。

この関係に気付いた際、貴殿はただちに状況をお知らせ下さいました。

前に私が数回にわたり言及した通り(貴殿からのBenton Foundationについての助言要請に関連する件も含めて)、DNSO(各部会を含む)はそもそも(意思決定機関というよりは)諮問機関であり、関与する参加者がICANNに対してボトムアップの助言を述べる評議会たることを特に目的としているのであるから、参加者が助言を出す事項について実質的な利害関係を有するというのは、予想されていなければなりません。特定の事項に利害関係を有するDNSO参加者たちが考えを述べることが禁止されると、DNSOの助言の効用の大部分が破壊されてしまいます。従って、DNSO参加者は自身の利害関係に影響を及ぼし得る理事会への提案・助言の作成に参加してはならない、という利害相反に関する要件はありません。その代わり一般には、利害関係の実態を全関係者に明確に知らせるということが要件になっています。

状況を全面開示の上で用法評価チームに残っていただいても利害相反要件に違反することにはなりませんが、貴殿の委員会辞任のご決断は適切であると考えます。と言うのは、そうしなければ評価チームの最終版レポートの信頼性を損なうことになるためです。その理由は、評価チームの一員としてさらに評価を行っていく際に、今回貴殿が存在にお気付きになった経済的利害関係を無視するのは非常に困難であろうということです。貴殿に引き続き関与していただくとなると、その結果として、少なくとも基準5については用法評価チームの出す助言の客観性に疑問が生じることになるでしょう。

RegisterORGanizationに有利になる偏りの兆候があるかどうか、報告書(案)の中の基準5(対応と管理)に関する論議部分を私が予備的に見直してみました。(当時貴殿はMedia Access ProjectとRegisterORGanization提案の後援団体の一つが関わりを持っていることはご存知なかったのですから、通常そのような偏りはないと考えられます。)報告書(案)には、11件の提案に対する下記の順位および点数が記載されています。

  1. Unity 27.25
  2. GNR 26.75
  3. ISOC 21.75
  4. DotOrg Foundation 20.50
  5. UIA 16.75
  6. IMS/ISC 14.00
  7. Neustar 12.75
  8. Register Org 11.75
  9. Switch 8.00
  10. .Org Foundation 5.00
  11. Organic Names 0.00

RegisterORGanizationの対応・管理についての評価の基礎となる判断は、概略次のようになっています。

8位: RegisterORG

RegisterORGの提案は、幅広い国際的活動を行っていることで著名な Benton Foundation、Open Society Instituteの2つの非営利団体と提携したものである。上記2団体が非営利コミュニティの意見を発展させて非営利コミュニティの.orgへの関与を促進できるよう、RegisterORGは250万ドルというかなり多額の資金の提供を約束している。

だが最終的にはRegisterORGが全体の管理権を保持することになっており、非営利団体の提携先を通じて出てくる意見を無視してしまう可能性もある。RegisterORGも提携先の非営利団体も、対外活動の計画については詳述していない。よって、「意見聴取/管理」の欄の評定は「低」とした。Benton およびOSIとの提携を通じた関係以外、RegisterORGは非営利コミュニティとの関係は有していない。OSIとBentonは広範囲にわたる関係を持っており、RegisterORGはこれらの団体への資金提供を約束しているものの、それでもRegisterORGの企画が詳細を欠いていることを完全に補うことはできない。特にその企画においては、BentonとOSIは真のパートナーシップというよりはむしろ顧問的立場になっているように思われる。よって委員会は、コミュニティとの関係においては当提案の評定は「中」とした。RegisterORGは公開フォーラムに参加してNCDNHCの質問に回答しており、その分野の評定は「高」になっている。

応募者は、BeontonとOSIの支援以外には新しいサービスや慈善活動の企画は何ら提案していない。NCDNHCとの関係については一切提案はなく、非営利団体のICANN参加の促進支援も申し出ていない。

以上の見直しにより、貴殿の有する利害関係によってRegisterORGの有利になるような偏りが報告内容に生じたという兆候はありません。それでも、偏見がないということを確認するため、対応・管理に関する小グループによる評価過程とそれによって出た結論は、これまで評価過程に関与していない者による監査を経なければなりません。ICANNは、NCDNHC評価報告書を最終的に見直す過程でこの監査を実施します。

敬具

法律顧問
Louis Touton

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