防衛的登録とは
ドメイン名の「防衛的登録」とは、 自身が主に利用する目的ではなく、 他者による登録を防ぐことを目的としてドメイン名を登録することです。
ドメイン名登録は、 登録者の便宜や管理業者の負担軽減を考慮し、 迅速な登録審査を重視するために、 基本的には最初に申請を行った申請者が登録の権利を得る先願主義の仕組みがとられています。 いわゆる「早い者勝ち(First come, First served)」で登録され、 空いているドメイン名であれば、 他者の権利を侵害しない限り、 誰でも登録規則に則って登録できることになります。 ドメイン名の新規登録受付開始の際などに商標保持者が優先されることはありますが、 ある文字列のドメイン名に対して、 唯一無二の登録者を定めることは基本的にはできません。
よって、ドメイン名はそのような仕組みで登録されることから、 他者に利用されたくない文字列がある場合には、 その文字列のドメイン名を防衛的に登録・利用し続ける以外に守る方法はありません。
不正の目的によるドメイン名の登録・使用があった場合に、 権利者からの申立に基づいてそのドメイン名の取消または移転を実現するために、 ドメイン名紛争処理方針(DRP)という仕組みが設けられています。 しかし、 DRPにより申立者に対してドメイン名の移転が認められた場合にも、 申立者は当該ドメイン名の登録者となって登録し続けなければ、 第三者により再度登録・利用される可能性があることに注意しなければなりません。 こういった登録・利用も、防衛的登録と言えます。
■参考
- ドメイン名登録の先願主義とは
- https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/sengan.html
- ドメイン名紛争処理方針(DRP)
- https://www.nic.ad.jp/ja/drp/