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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.2078【定期号】2024.5.15 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.2078 です
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毎月15日(土日祝の場合はその翌営業日)に発行している定期号では、特集記
事のみならず、業界メンバーのコラムや用語解説、統計などもお届けしてい
ます。

本号の特集では、2024年4月29日(月)・30日(火)にブラジルで開催された、
NETmuundial+10会合を取り上げます。この会合は、2014年に開催された「今
後のインターネットガバナンスに関するグローバルマルチステークホルダー
会合(NETmundial)」から10年の節目となるタイミングで開催されました。2014
年から今日までの流れを、詳しくお伝えします。フォトレポートも併せてご
覧ください。

  NETmundial+10フォトレポート
  https://blog.nic.ad.jp/2024/9747/

News & Views Columnでは、大学生時代のコミュニティ活動をきっかけに、
インターネット業界に魅せられるようになったさくらインターネット株式会
社の米田悠人さんに、米田さんが感じるインターネット運用の醍醐味につい
てお書きいただきました。まだお若いにも関わらず、本業の傍ら学生支援活
動などにも精力的に取り組んでおられるお姿は、大変頼もしいです。

また、インターネット用語1分解説では、先月に引き続きドメイン名登録に関
連する用語として、「防衛的登録」を解説しています。

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◆ 目次
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【 1 】特集 「NETmundial+10会合のご報告」
【 2 】News & Views Column
       「インターネット運用の醍醐味」
         さくらインターネット株式会社  米田悠人氏
【 3 】インターネット用語1分解説
       「防衛的登録とは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 1 】特集 「NETmundial+10会合のご報告」
                                               JPNIC 政策主幹 前村昌紀
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本稿では、2024年4月29日(月)、30日(火)に開催された、NETmuundial+10
(ネットムンディアル・プラステン)会合に関してご報告します。

NETmundial+10は、2014年に開催され、NETmundialという愛称が付いた「今後
のインターネットガバナンスに関するグローバルマルチステークホルダー会
合」から10年の節目となるタイミングで開催されました。2014年の成果文書
である「サンパウロNETmundialマルチステークホルダー声明」を振り返り、
現在でも有効であるかを確認した上で、必要であれば変更や補足を付け加え
ることを目的としました。

私は2014年会合の際にはマルチステークホルダー実行委員会(EMC)のメンバー
を務め、今年の会合ではハイレベル実行委員会(HLEC)の委員を務めましたの
で、10年前の振り返りや、今年の会合の準備段階も含めて、お話ししようと
思います。


■ 2014年会合の振り返り

当時の大まかな流れは、JPNIC Web「インターネットガバナンスとは」ページ
(*1)に書き出しています。スノーデン事件による米国のインターネットにお
ける信頼の失墜、それを受けて2013年10月に公表された、インターネット技
術調整団体リーダーたちによる「今後のインターネット協力体制に関するモ
ンテビデオ声明」(*2)にも、「グローバルな協力体制への努力意向」として
ほのめかされ、当時のブラジル大統領Dilma Rouseff氏に対するエンゲージメ
ントの一環として開催が検討された結果、2013年11月に会合開催が発表され
ました(*3)。

(*1) JPNIC Web:インターネットガバナンスとは
     https://www.nic.ad.jp/ja/governance/about.html
     「2013年から2016年 ― スノーデン事件が起こした大きなうねり
      その1:NETmundial」セクション

(*2) JPNIC Web:インターネット関連10団体が「今後のインターネット協力
     体制に関するモンテビデオ声明」を発表
     https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2013/20131008-01.html

(*3) NETmundial Web: Global Multistakeholder Meeting on the Future of
     the Internet Governance
     https://netmundial.br/2014/blog/2013/11/26/global-multistakeholder-meeting-on-the-future-of-the-internet-governance/


当時APNIC理事であった私はAPNIC幹部と相談し、EMCへの参画はAPNICの事業
展開の観点からも好ましいと判断して、委員に応募し、受け入れられました
(従って、EMCへの関与はAPNIC理事としての業務だったということです)。
2014年1月から準備作業が始まり、これは全世界からの寄書を元に成果文書案
の起草を行う挑戦的なプロセスでした。特に、EMC会合における起草作業で
は、全世界に散らばっているEMC委員がGoogle Docsを使って同時にテキスト
編集を行うため、手元のスクリーン上で多数のカーソルが動き回り、テキス
トが修正されていくさまが強烈な印象として思い出されます。当日には成果
文書草案に対する活発な議論が行われ、その後他のいろいろなプロセスで引
用された、当時のインターネットガバナンスのあり方を良く現す文書ができ
あがりました。詳細は、2014年会合の報告として執筆した JPNIC News & Views
の記事(*4)をご覧ください。

(*4) JPNIC News & Views vol.1196【定期号】2014.5.15「NETmundial報告」
     https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2014/vol1196.html


■ NETmundial+10準備プロセス

2023年10月、インターネットガバナンスフォーラム会合が京都で開催され、
全世界のインターネット関係者が京都に集いましたが、ブラジルインターネッ
ト調整委員会(CGI.br)の職員から会期中の面談の要請を受けました。2014年
会合以来、いろいろな会議で数名の職員との交流が続いていましたが、今回
は新しい、若い担当者が主体のグループとお話をしました。このときCGI.br
からは、国際連合以外の場でインターネットガバナンスに関する議論が必要
だという問題意識から、何らかイベントをやりたいとの話がありました。た
だ、この面談の際にはNETmundial 10周年との関連については何も言及されな
かったのですが、後に結局NETmundial+10として、2014年会合の振り返りと補
強をめざすものとなりました。開催に向けた共同声明(*5)が公表されたのが
2023年12月、私にハイレベル実行委員会(HLEC)加入の誘いが来たのが、2024
年1月末でしたので、2014年会合よりも1ヶ月ほど進行が遅く、それだけ準備
期間が短いことも見えてきました。

(*5) NETmundial Web: Joint Statement on the NETmundial+10
     https://netmundial.br/statement/joint-statement-of-the-netmundial10


全世界のステークホルダーから寄せられた寄書を元に起草を始めた2014年会
合よりも準備期間は短いものの、全世界のステークホルダーからのインプッ
トによって成果文書を組み立てるべきとして、成果文書の大まかな構成を検
討した後に、HLECと事務局によって多数の質問からなるアンケートを作成し、
それに対するインプットから成果文書の起草を行うこととしました。アンケー
トの構成は成果文書の構成に従い、

 1) デジタルガバナンスプロセスの原則
 2) マルチステークホルダー機構の実装ガイドライン
 3) 他の進行中のプロセスに対する意見

として、2024年3月26日に募集を開始(*6)。締め切りは一度延長され、同4月
10日まで受け付けられました。その結果、154のインプットを受け取りました
(*7)。この後事務局ではこれらのインプットの分析を行い、成果文書の初稿
を起草しました。HLECには、分析結果とともに初稿が提供されました。

(*6) JPNIC Web:NETmundial+10会合が初期プログラム案を公開し、意見聴取
     を開始
     https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2024/20240329-01.html

(*7) NETmundial Web: Contributions
     https://netmundial.br/consultation/contributions


会期1週間前に差し掛かる同4月22日月曜日の週が、成果文書起草の山場でし
た。HLECは3回のWeb会議を通じて草案の検討に取り組みました。セクション
ごとにペンホルダーと呼ばれる主担当者を置き、ペンホルダーの修文をHLEC
全体でコメントしていくというプロセスです。今回も2014年会合同様、Google
Docsを使いましたが、あまりに激しい修文のため、提案モードで書き足した
ものを全部反映してクリーン版を作る、といったことも3度ほど行い、週末を
挟んで会期が始まる直前、4月26日(金)に暫定成果文書を公表しました(*8)。

(*8) JPNIC Web:NETmundial+10の成果文書暫定版が発表
     https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2024/20240426-02.html


■ 会期当日:10年前の興奮が蘇る

いよいよ当日です。会場のGrand Hyatt Sao Pauloは、10年前よりも周りの建
物が増えた感じがしながらも、ホテルの中、カンファレンス区画の様子はまっ
たく変わらず、懐かしく思われました。会合内容の違いと言えば、2014年会
合ではルセフ大統領が現地入りなさって、鳴り物入りで制定されたMarco
Civil da Internet(インターネット市民権基本法)の署名セレモニーが行わ
れたとともに、政府高官を揃えた政府諮問委員会を構成していたので、全体
的に参加者構成において政府色が強かったのですが、今回の会合は、G20のサ
イドイベントが併催されているとはいえ、政府関係者がそこまで多くなかっ
たというところです。両日に2時間セッション三つを配置した、成果文書の検
討のためのワーキングセッション(WS)は、前回同様ステークホルダーグルー
プごとに分けられたフロアマイクで順番に意見を聞いていくスタイルで、10
年前と同じ構成です。多くの意見があらかじめ準備されたもので、饒舌に持
論を披露する参加者多数に恵まれ、10年前の興奮が蘇る気持ちがしました。
2日目の最後のWSでは、私がモデレーターを仰せつかり、他の3名のHLECメン
バーとともに壇上で意見を拝聴することとなりました。

2日目午後には、他プロセスとの調整に関するセッションと、クロージングプ
レナリーが計画されていたのですが、それらのモデレーターだけを会場に残
して、HLECは成果文書の詰めを行うため別室に移りました。これが最後の山
場です。WSからのメモを元に、文書案の最初からテキストを再検討します。
結果的にかなり多量の修文が加わり、成果文書が完成したのは最終セッショ
ンClosing Remarksの直前でした。最終セッションでは完成して
「NETmundial+10 マルチステークホルダー声明」(以下NETmundial+10声明)
と命名された成果文書の全文が読み上げられ、会場の参加者からの大きな拍
手によって、成果文書が採択されました。


■ おわりに

最後に、今回のNETmundial+10会合で感じたことを四つ挙げて、本稿を締めく
くりたいと思います。

最初に、会合の成果であるNETmundial+10 マルチステークホルダー声明の内
容に関してです。2024年5月2日のJPNICからのアナウンス「NETmundial+10の
成果文書が公開」(*9) にかい摘んで紹介していますが、2014年会合で「イン
ターネットガバナンス」として捉えていたものを「インターネットガバナン
スとデジタル政策」として、AIなどのデジタル政策全領域に適用範囲を広げ
ていること、マルチステークホルダープロセスの構築における非常に具体的
な指南を「サンパウロ・マルチステークホルダー・ガイドライン」と名付け
て示したことは、NETmundial+10声明の顕著な点として挙げられると思いま
す。世界中のステークホルダーからのインプットを丹念に取り入れ、会期中
の意見表明をも旺盛に取り入れた上でこれを作り上げたのは、この声明の価
値を高めるものと信じるところです。

(*9) JPNIC Web:NETmundial+10の成果文書が公開
     https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2024/20240502-01.html


また、NETmundial+10の開催にあたっては、今年G20の議長国であるブラジル
を利する結果になるのではないか、あるいは逆に目立った価値を創出するこ
とができないのではないかといった、懐疑的な見方も存在しました。ブラジ
ルとしては、デジタル政策を中心としたG20の成果にNETmundial+10の成果を
結び付けたいという考えもあったでしょうが、G20を含め、デジタル政策に関
して検討している他のいろいろなプロセスに参照される、確固とした成果を
生み出すことができたと思いますし、ブラジルだけでなく、マルチステーク
ホルダーアプローチを支持する国々の政府関係者との関係強化は、非常に大
きな成果であろうと考えます。

次に、技術コミュニティの活動量の上昇です。ccTLDレジストリである .au
Domain Authority (auDA)、Canadian Internet Registration Authority
(CIRA)、InternetNZ、Nominetは、2024年4月5日付で共同声明を公表し、技術
コミュニティ連合を設立したことを発表しています(*10)が、彼らは
NETmundial+10会合にも積極参加をしており、事前インプットや会期中の意見
表明など非常に活発でした。これは、国連未来サミットにおけるグローバル・
デジタル・コンパクト(GDC)の検討、世界情報社会サミット20周年レビュー
(WSIS+20)など、政府間組織におけるインターネットやデジタル政策に関する
検討が進む中で、グローバルインターネット基盤の技術調整に責任を持つ、
技術コミュニティとしてのポジションの堅持と意見表明が重要だという意識
の表れです。JPNICとしてもこのような活動に積極的に関与していきたいと思
います。

(*10) Join the technical community coalition to defend and strengthen
      multi-stakeholder internet governance
      https://www.auda.org.au/blog/join-technical-community-coalition-defend-and-strengthen-multi-stakeholder-internet-governance


最後に、今回HLECの一員としてNETmundial+10会合に参画しましたが、各ス
テークホルダーセグメントからのメンバーには、既に互いを良く知る仲の方
も、初めてお会いする方もいました。どちらの場合にも、生産的な活動を通
じてよりよく知り合うことができ、信頼関係を深めることができました。こ
ういったことが、JPNICとしての、技術コミュニティとしての、考え方やポジ
ションを、他のステークホルダーの皆さんにも良く理解していただく強固な
基盤となることを実感した次第です。今後ともこのような活動を通じて、イ
ンターネットの円滑な運営への寄与を深めていきたいと考えています。


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 ┃     ◆◇◆◇◆  本特集のご感想をお聞かせください  ◆◇◆◇◆     ┃
 ┃良かった                                                          ┃
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 ┃悪かった                                                          ┃
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【 2 】News & Views Column
       「インターネット運用の醍醐味」
                                 さくらインターネット株式会社 米田悠人
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

みなさんが日常的にインターネットを利用している中で、インターネットを
提供している事業者の仕事に対してどのようなイメージをお持ちですか?私
自身、この業界に入る前は事業者間の繋がりがほとんどないと思っていまし
たが、実際に関わってみると、そのイメージとはまったく異なることを実感
しました。

■ 業界に入ったきっかけ

私が自宅のインターネット回線を契約したのが2013年頃で、それまではあま
り触ったことがない状態でした。物心ついた時からインターネットに触れて
きたわけではなく、周りの人たちに比べてもわりと遅めの方の人になります。
そこから、オークションで中古のネットワーク機器を落札して初めて触れた
のが、ネットワークに興味を持ったきっかけになります。

このような中学・高校生活を経て大学に進学し、ゼミの先輩の誘いでICTSC
(トラブルシューティングコンテスト)やJANOG(日本ネットワーク・オペレー
ターズ・グループ)といったコンテストやイベントに参加しました。学生支援
で参加したJANOG45では、縁があってHome NOC Operators' Groupの運営委員
に誘ってもらい、活動の幅を広げるきっかけとなりました。これらの経験か
ら、ネットワーク系のイベントで業界の人々と交流することが、見たことの
ない新しい世界を発見する機会となり、この業界の魅力を深く感じるように
なりました。

■ 業界に入ってから

Home NOC Operators' Groupの運営活動などを通して、IX (Internet
Exchange)のユーザ会などにも積極的に参加し、業界の方とのコミュニケー
ションを図り、情報交換を行う機会も増やしていきました。また、大学在学
中には、ネットワークが好きな大学の同期と共に関西を拠点に活動するネッ
トワーク団体doornocを立ち上げました。新卒で入社後も、学生時代の頃と同
様に地域NOGやJANOGなどに参加し、現在ではJANOGのNOCチームやNaniwaNOGの
運営委員のように活動の幅を広げています。

この業界での経験を通じて、他の事業者やコミュニティとの繋がりがいかに
重要かを理解しました。また、自社や他社に関わらず、サービスで勝負をし
ながらもお互いにコミュニケーションを取り、仕事仲間以上に友人のような
深い関係を築けることができるというのも、この業界の大きな魅力のように
感じます。

■ これから

インターネット業界に関わってから4年以上が経過し、現在はさくらインター
ネットで本業を持ちつつ、一般社団法人Home NOC Operators' Groupやdoornoc
でのコミュニティ活動も引き続き行っています。本業ではネットワークの運
用を自動化する部門で働いており、ネットワーク運用そのものからは少し距
離が離れたところにいますが、地域NOGやJANOGのNOCチームなどに顔を出しな
がら活動を続けていきたいと思います。

Home NOC Operators' Groupでは、日本だけではなく海外のインターネットコ
ミュニティや事業者との関わりを深め、活動の幅を広げつつも若者の育成に
も引き続き取り組んでいきます。また、doornocでは関西の学生を中心にネッ
トワークを提供し、学びの場を作ることができるように、今後も運営メンバー
一同で努力していくつもりです。

ありがたいことに、生まれてからずっと関西で仕事もできているので、今後
は関西における学生支援活動やネットワーク業界に貢献していきたいと思い
ます。引き続きよろしくお願いします!


■筆者略歴

米田 悠人(よねだ ゆうと)
1999年生まれ。2022年にさくらインターネット株式会社に入社し、主にネッ
トワーク運用や運用効率化のアプリケーション開発業務に携わっている。
コミュニティ活動では一般社団法人Home NOC Operators' Groupの理事、
doornocの運営委員長を担当。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】インターネット用語1分解説
         「防衛的登録とは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドメイン名の「防衛的登録」とは、自身が主に利用する目的ではなく、他者
による登録を防ぐことを目的としてドメイン名を登録することです。

ドメイン名登録は、登録者の便宜や管理業者の負担軽減を考慮し、迅速な登
録審査を重視するために、基本的には最初に申請を行った申請者が登録の権
利を得る先願主義の仕組みがとられています。いわゆる「早い者勝ち(First
come, First served)」で登録され、空いているドメイン名であれば、他者の
権利を侵害しない限り、誰でも登録規則に則って登録できることになります。
ドメイン名の新規登録受付開始の際などに商標保持者が優先されることはあ
りますが、ある文字列のドメイン名に対して、唯一無二の登録者を定めるこ
とは基本的にはできません。

よって、ドメイン名はそのような仕組みで登録されることから、他者に利用
されたくない文字列がある場合には、その文字列のドメイン名を防衛的に登
録・利用し続ける以外に守る方法はありません。

不正の目的によるドメイン名の登録・使用があった場合に、権利者からの申
立に基づいてそのドメイン名の取消または移転を実現するために、ドメイン
名紛争処理方針(DRP)という仕組みが設けられています。しかし、DRPにより
申立者に対してドメイン名の移転が認められた場合にも、申立者は当該ドメ
イン名の登録者となって登録し続けなければ、第三者により再度登録・利用
される可能性があることに注意しなければなりません。こういった登録・利
用も、防衛的登録と言えます。


■参考

ドメイン名登録の先願主義とは
https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/sengan.html

ドメイン名紛争処理方針(DRP)
https://www.nic.ad.jp/ja/drp/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2023年12月~2024年5月)
--------------------------------------------------------------------------------------------
日付|  AD  AC    CO    GO   OR    NE   GR   ED   LG   GEO    GA    GJ     PA   PJ   TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------------------
 12/1 | 252 3835 476401 808 40373 12740 5331 6451 1903 2062 1110262 83467  9107 1328 1754320
  1/1 | 251 3837 477259 805 40423 12731 5327 6457 1908 2060 1111298 83335  9089 1327 1756107
  2/1 | 251 3839 477875 810 40451 12723 5316 6465 1912 2059 1112515 83180  9092 1319 1757807
  3/1 | 251 3849 478787 810 40497 12705 5307 6482 1912 2058 1112891 83067  9051 1318 1758985
  4/1 | 253 3846 479806 810 40619 12691 5302 6384 1915 2054 1112645 82796  9050 1307 1759478
  5/1 | 253 3841 480854 812 40701 12676 5297 6389 1915 2051 1114166 82680  9046 1309 1761990
--------------------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語
 PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
 PJ:都道府県型ドメイン名 日本語


2. IPアドレス

o JPNICからのIPv4アドレス割り振りとJPNICへのIPv4アドレス返却ホスト数
  (2023年11月~2024年4月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量
------------------------------------------
  11 |      512 |        0 |   91912584
  12 |     1024 |        0 |   91913608
   1 |        0 |     1792 |   91911816
   2 |     2560 |        0 |   91914376
   3 |      512 |        0 |   91914888
   4 |      512 |        0 |   91915400
------------------------------------------

□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3. 会員数  ※2024年5月13日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      0 |
  B会員     |      1 |
  C会員     |      3 |
  D会員     |     91 |
  非営利会員|      9 |
  個人推薦  |     28 |
  賛助会員  |     38 |
 ---------------------
  合計      |    173 |
 ---------------------

□会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/


4. 指定事業者数  ※2024年5月2日 現在

   IPアドレス管理指定事業者数           514


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  2024.5.13(月)~14(火)         Nordic Domain Days 2024 (Stockholm,
                                Sweden)
  2024.5.20(月)~24(金)         RIPE 88 (Krakow, Poland)
---------------------------------------------------------------------
  2024.6.10(月)~12(水)         NANOG 91 (Kansas City, U.S.A.)
  2024.6.10(月)~13(木)         ICANN80(Kigali, Republic of Rwanda)
  2024.6.12(水)~14(金)         Interop Tokyo 2024 [後援] (千葉県、
                                幕張メッセ)
  2024.6.17(月)~19(水)         EuroDIG 2024 (Vilnius, Lithuania)
  2024.6.21(金)                 第46回JPNICオープンポリシーミーティン
                                グ(オンライン)
  2024.6.18(火)                 第75回通常総会 (東京、ホテルメトロ
                                ポリタンエドモント)
---------------------------------------------------------------------
  2024.7.3(水)~5(金)           JANOG54(奈良県、奈良県コンベンション
                                センター)
  2024.7.8(月)~12(金)          APIGA 2024 (Seoul Special City,
                                Republic of Korea)
  2024.7.20(土)~26(金)         IETF 120 (Vancouver, Canada)
  2024.7.25(木)~26(金)         Internet Week ショーケース in 福岡
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