メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索

「.org」の次期レジストリがISOCに

2002年10月25日

 ICANNは10月14日、 「.org」トップレベルドメインの次期レジストリをインターネット関連の非営利団体であるInternet Society(ISOC)に決定しました。 これにより、 現在のレジストリであるVeriSign社は2002年12月31日をもって 「.org」の運用を終了し、 2003年からはISOCが新たに設立した非営利の下部組織、 Public Interest Registry(PIR)が業務を引き継ぐことになります。

なぜレジストリが変わるの?

 歴史的に、世界の誰もが登録できるgTLD(.com/.net/.org)の運用管理は、 Network Solutions, Inc.(NSI。現VeriSign)が全米科学財団(NSF) との委託契約のもと独占的に行ってきました。 当時はレジストラというものは存在せず、 データベース管理を行うレジストリ業務と、 現在のレジストラ業務に相当するドメイン名登録をすべて NSI社が行っていたわけです。

 1995年にNSI社がドメイン名登録を有料化して以降、 NSI社によるドメイン名登録ビジネスの独占状態に対し、 価格・サービス面での競争がないことや、 登録ビジネスへの新規参入が阻害されるなどの批判が強まるようになりました。

ICANNはそうした問題を解決すべく、 1998年の設立当初から「ドメイン名登録サービスに競争を導入する」 ことを責務の一つに掲げ、 レジストリ・レジストラ制度の導入などの取り組みを行ってきました。

1999年11月にICANNとNSI社との間で締結された 「.com/.net/.org」レジストリ契約では、 「全ICANN認定レジストラがレジストリに公平にアクセスできるようにする」 (共有レジストリシステムの導入)ことが規定されました。 また、契約期間は4年間となり、 NSI社がレジストリ業務を行える期間が 2003年までに限定されることになったのですが、 もし18ヶ月以内にNSI社がレジストリ部門とレジストラ部門を分離し、 一方を売却した場合は、 さらに4年間(2007年まで)延長されるということになっていました。

NSI社のレジストリ部門とレジストラ部門を分離するという条件は、 レジストラ間の競争をより健全なものにするためのさらなる対策として意図されたものでした。 しかし、その後導入された共有レジストリシステムが、 当初想定していた以上の効果を発揮し、 レジストラ間の競争環境が急速に改善されるようになったという状況の変化もあり、 NSI社のレジストリ・レジストラ部門の分離という措置がそれほど重要な意味合いを持たなくなってきたのではないかと考えられるようになりました。

 このような背景の中、 2001年2月にVeriSign社(元NSI社)から ICANNに対しレジストリ契約改訂の提案がなされ、 その結果、 2001年5月に以下のような内容の新たな契約が結ばれることになりました。

  • 「.org」についてはレジストリ業務を2002年12月31日に終了し、他の組織へ移管する。
  • 「.com」についてはレジストリ業務を2007年11月10日に終了する。(ただし、基準を満たせば4年間の更新が可能)
  • 「.net」についてはレジストリ業務を2005年6月30日に終了する。(ただし、VeriSign社も次期レジストリへの入札は可能)

 これにより、 VeriSign社はレジストリ部門とレジストラ部門を分離しないことの引き換えとして、 2002年12月末に「.org」を、 そして2005年に「.net」を手放すことになったわけです。

新レジストリはどのようにして決まったの?

ICANNは、2002年12月末の「.org」移管に向けて、 2002年4月から新レジストリ選定プロセスを開始しました。 5月には新レジストリの正式募集を開始し、 これに対し11の営利・非営利組織が応募しました (申請料は最終的に29,000米ドル)。 応募者の中には、今回選ばれたISOCの他に、 「.biz」と「.us」のレジストリであるNeuStar社や、 スイスのccTLDレジストリのSWITCH、 また今回の応募のために新たに設立された組織もいくつか含まれていました。

 6月のICANNブカレスト会議では、各応募者によるプレゼンテーションが行われ、 ICANN理事会と一般聴衆の前で各自の特色をアピールする機会が持たれました。

 各応募者の審査については、 外部機関を含む三つの評価チームが技術面等の評価を行い、 それぞれ評価報告書をICANNに提出しています。 この評価結果と一般から受け付けたコメント等を総合して検討した結果、 組織としての安定性や技術面での信頼性といった観点から、 ISOCが次期「.org」レジストリに選ばれたわけです。

レジストリ変更によるユーザーへの影響は?

新レジストリへの移行期間中も、 現在の「.org」ドメイン名所有者は通常通りのスケジュールで更新を行い、 また新規登録者も従来の方式で登録申請ができます。

 移行後も登録要件は従来のままで、世界中の誰でも登録することが可能です。

ISOCは、 「.info」のレジストリである Afilias社から技術面でのサポートを受けることになり、 移管後は、 新レジストリシステムの導入によってより迅速な登録処理が行えるようになるということです。

参考資料

ISOCホームページ(英語)
http://www.isoc.org/
「.org」再委任についての情報掲載ページ(英語)
http://www.icann.org/tlds/org/index.html#ApplicationsReceived
「.org」新レジストリ入札者によるプレゼンテーションの速報メモ(2002年6月26日 ICANNブカレスト会議パブリックフォーラム)
http://www.nic.ad.jp/ja/icann/mtg-report/0206-bucharest/20020626-03.html

ICANNからの「.org」再委任関連アナウンス翻訳

.org 提案募集要項のスケジュールと費用(2002年4月22日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020422.html
.org 再委任: 提案書提出依頼書式案(2002年5月1日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020501.html
.org再委任:受け付けた応募(2002年6月18日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020618-2.html
.org再委任に関する最新情報(2002年7月25日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020725.html
.org再委任に関する最新情報(第2報)(2002年8月4日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020804.html
ICANN理事会に報告書(案)提出:.orgはISOCが後継運用者か? (2002年8月19日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020819.html
.org 再委任に関する最新情報(第3報)(2002年8月21日)
http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020821-1.html

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
よろしければ回答の理由をご記入ください

それ以外にも、ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2024 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.