IPアドレス管理の基礎知識 English Page
IPアドレス・AS番号とは
IPv4アドレスとは
- IPアドレスはTCP/IPネットワーク上で、通信相手(ホスト)を識別するための番号です。
- 現在も一般的に使用されているIPアドレスです。
- IPv4は32ビットのアドレスを持ち、通常「192.0.2.34」のように、8ビットごとに区切った四つの数字により表記します。
- 約43億個ありますが、2011年2月3日にIANA (ICANN)の持つ未使用在庫が無くなりました。アジア太平洋地域では、2011年4月15日に最後の/8在庫のみとなりました。
- 参考:IPv4アドレスとは(PDF、215KB)、IPv4アドレスの在庫枯渇に関して
IPv6アドレスとは
- IPv6はIPv4に代わるプロトコルとして、IETFのIPNGワーキンググループが中心となって開発したプロトコルです。
- IPv6は128ビットのアドレスを持っています。アドレス数はおよそ3.4×10の38乗という天文学的な数字になります。
- IPv4アドレス枯渇に対する長期的な対応策として期待されています。
- 参考:IPv6アドレス(PDF、264KB)
AS番号とは
- ASとは「Autonomous System」の略であり、「自律システム」とも呼ばれ、一定の経路制御方針を共有したネットワークの集合体を指します。
- AS番号はこのASに割り当てられた識別番号であり、IPアドレスを住所における番地として捉えると、郵便番号のような役割を果たします。
- 当初2バイトでしたが、足りなくなったため日本では2007年3月から4バイトに増やしています。
用語集
IPアドレスとAS番号 に関する用語を集めました。
IPアドレスの管理とは
IPアドレスはインターネットユーザーが公平に共有する資源として、 「アドレスポリシー」と呼ばれる管理方針に基づき世界的に管理が行われています。 アドレスポリシーとはIPアドレスの分配、 または利用にあたって従うことが求められる、IPアドレス管理の構造、 考え方、アドレス分配の基準等を定義したものであり、 RIRが管轄している地域単位で文書化し、公開しています。 JPNICのように国別にアドレス管理を行うNIRが存在している場合は、 NIRがポリシー文書を公開しているケースもあります。
また、 同じIPアドレスであってもIPv4と IPv6アドレスではそれぞれポリシーが異なります。 IPv4は効率的なアドレスの利用に重点が置かれているのに対して、 IPv6では経路集成により大きな比重が置かれています。 ポリシーの内容は以下の文書をそれぞれご覧ください。
IPアドレス管理の構造

IPアドレスの分配は「インターネットレジストリ」と呼ばれる組織により、 階層的な管理・分配が行われています。 JPNICは、アジア太平洋地域におけるアドレス管理を行っている APNICの管理下にある国別インターネットレジストリとして、 日本国内におけるアドレス管理を行っています。 レジストリに関する用語集もご参照ください。
IPアドレス分配までの流れ

上記のようにIPアドレスをパイとして捉えた場合、 IANA (ICANN) でまるごとの完全なパイを管理し、各RIRへ切り分けられます。 国内においてはアジア太平洋地域の管理を行っているAPNICから、 JPNICを介してIPアドレス管理指定事業者と呼ばれるISPへ切り分けられ、 ISPは自ら持っているパイの中から実際のネットワークへ IPアドレスを分配します。 各RIRや、アジア太平洋地域、JPNICにおける分配状況は、 IPアドレスに関する統計・各種リストをご参照ください。
なお、IANA (ICANN)の持つIPv4アドレスは2011年2月3日に、 APNIC/JPNICにおいては2011年4月15日に新規在庫が無くなっています。
IPアドレスポリシーの策定
IPアドレスポリシーは、 IPアドレスの利用者が実運用に基づき随時見直しを進めており、 ポリシーに関する提案や議論への参加はだれでも行うことができます。 現在のアドレスポリシーの変更が必要と考え、提案を行った場合、 IPアドレスを利用しているコミュニティからの賛同が得られれば一定のプロセスを経て、 IPアドレスポリシーに反映されます。 IPアドレスポリシー策定の詳細に興味のある方は オープンポリシーフォーラムホームページ をご覧ください。
歴史的経緯を持つプロバイダ非依存アドレスについて
IPアドレスは2013年3月現在、 原則として上で示した通りの流れで分配が行われていますが、 階層構造による管理が実装される以前はLIR (日本ではIPアドレス管理指定事業者)を介さず、APNIC、 またはJPNICに該当するインターネットレジストリより直接ネットワークに分配が行われていた時代がありました。 このような方式で分配されたIPアドレスは 「歴史的経緯を持つPI(Provider Independent)アドレス」 と呼ばれています。 詳細は 「歴史的経緯を持つプロバイダ非依存アドレスについて」 をご覧ください。