JPNICの統治機構強化の要請に対してAPNICから返信を受領

JPNICが2023年3月2日にAPNICへ申し入れを行った統治機構強化の要請に対して、昨日7月12日に、 APNICから返答を受領しましたのでお知らせします。 APNICからの書簡の原文を次のURLで公開するとともに、参考訳を本文の末尾に沿えます。

APNICからの書簡: https://www.nic.ad.jp/topics/2023/apnic-to-jpnic-20230712 (513KB)

また、APNICは同日、返答に示された統治機構強化の取り組みに関して、一連の情報公開を行いました。こちらに関しては、次のURLで概要をご紹介しています。

APNICが統治機構強化に向けた計画を発表: https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2023/20230713-01.html

この計画は、APNIC設立以来最大規模の統治機構の変更を含み、 APNIC会員による効果的な統治への関与を可能とするものと期待されます。 JPNICの要請が正しく受け入れられたものと考え、これを歓迎し、 APNIC理事会と事務局のここまでの労に、感謝の意を示します。

APNIC書簡の参考訳

JPNIC理事長江崎浩様
JPNIC理事の皆様

APNIC ECを代表して、まず、 3月のEC選挙後にJPNIC理事会からAPNIC ECに送られた思慮深く建設的なメッセージに感謝の意を表します。提起された懸念事項の多くは、実際のところECにとっても最重要課題でした。

2021年、ECはAPNICの法務部門に対し、 APNICの統治体制に関する誤解が継続的な問題とならないよう、 APNICの統治構造について改善可能な点を同定するよう指示していました。

その結果、ECは2022年12月と2023年5月の会合で、 APNICの統治構造を変更することを決議し、本日、これらの重要な変更をAPNICコミュニティに発表しました。

これらの統治体制の変更に並行して、会員によるAPNIC定款の改正手続きをより簡単なものに変更しました。これまでは、定款の変更には全会員票数の3分の2以上の同意が必要でしたが、本日からは、全投票数の3分の2以上の賛成があれば変更が可能になります。

ECは、定款を変更するための実際的な権能を持つことが、 JPNICをはじめとするAPNIC会員の最善の利益につながると考えています。定款の強化と近代化のために必要な変更は、この他にもあるとECは考えており、 APNIC 56でさらなる定款改正を会員投票にかけるつもりです。

今回提案された定款改正は、 APNIC 55の前後に寄せられたコミュニティからのフィードバックに応えるもので、 EC選挙候補の資格基準を強化し、 ECの選挙プロセスにおける脆弱性を緩和するものです。これらの規約改正により、 JPNICや他の会員から提起された問題が解決されることを期待しています。

提案されている定款改正の詳細については、 bylaws.apnic.net をご参照ください。また、今月はAPNICの全会員に質問や意見を提供する機会を提供するため、 2回のコミュニティコンサルテーションを開催する予定です。

JPNICと日本のコミュニティがこの提案をめぐる議論に十分に参加し、 APNIC 56での投票においてこれらの定款改善を支持してくださることを願います。

事務局は、本日の発表と定款改正案について、 JPNICの皆さんと議論させていただきますが、 JPNIC理事会からご質問やご意見があれば、喜んで拝聴します。

APNIC理事会議長ケニー・ホアンに代わって

事務局長
ポール・ウィルソン

以上