各位
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
NETmundial+10の成果文書が公開
先日来お伝えしているブラジル・サンパウロで開催されているNETmundial+10会合に関して、 本会合に議論の成果として、成果文書「NETmundial+10 マルチステークホルダー声明」(以下、 成果文書)が公開されましたのでお知らせいたします。
- NETmundial+10 Multistakeholder Statement
- https://netmundial.br/netmundial-10-multistakeholder-statement-strengthening-internet-governance-and-digital-policy-processes
NETmundial+10は、 2014年に同じくブラジル・サンパウロで開催されたインターネットガバナンスに関する原則および今後のあり方について議論を行ったNETmundial*1会合の10周年を記念した会合で、 2024年4月29日(月)および30日(火)に開催されました。
本会合および成果文書の作成にあたっては、 当センター政策主幹の前村昌紀がハイレベル実行委員会(High Level Executive Committee; HLEC)*2のメンバーとしてプログラム編成や成果文書暫定版の起草に関わっているほか*3 *4、 JPNICからも課題に関連・利害のあるステークホルダーの関与が重要などの意見を提出しました*5。
成果文書は、 10年前のNETmundial会合の成果文書サンパウロ「NETmundialマルチステークホルダー声明」*6(以下、 前回成果文書)が示した、 インターネットガバナンスに関する原則とインターネットガバナンスの今後の進化に関するロードマップを、 現在も有効であるとした上で、前回からの10年にわたる変化に対応しました。
最も目を引く変化は、 前回成果文書が「インターネットガバナンスのプロセス」という言葉で示していたものが一様に「インターネットガバナンスおよびデジタル政策のプロセス」として、 「インターネットガバナンス」以外に「デジタル政策」を付け加えた記述に統一されていることで、 インターネットに留まらない、AIを含むデジタル政策全般に関して論じていることです。
また、3章では、インターネットガバナンスとデジタル政策のプロセスに関して、 政府間機関の検討で加盟国だけでなくさまざまなステークホルダーを適切に巻き込んだプロセスを求めるとともに、 政府間機関以外も含めた、 プロセスに関する具体的なガイドラインを「サンパウロ・マルチステークホルダー・ガイドライン」として示し、 その中でマルチステークホルダーの協働、合意形成、 意思決定のためのプロセスステップを含めています。 これによって、 インターネットガバナンスとデジタル政策プロセスを取り扱うあらゆる団体に指針を示しています。
- *1 インターネット1分用語 NETmundialとは
- https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/NETmundial.html
- *2 High-Level Executive Committee (HLEC)
- https://netmundial.br/HLEC
- *3 NETmundial+10会合が4月にブラジルで開催~JPNICの前村がハイレベル実行委員として参画~
- https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2024/20240319-03.html
- *4 NETmundial+10の成果文書暫定版が発表
- https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2024/20240426-02.html
- *5 JPNICからの提出意見
- https://netmundial.br/consultation/contributions/3135303733343831363100/detail
- *6 NETmundialが成果文書「サンパウロNETmundialマルチステークホルダー声明」を発表して閉幕
- https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2014/20140507-01.html
以上