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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.671【臨時号】2009.8.26 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.671 です
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7月より隔週でお送りしている特別連載「数字で見るIPアドレス・AS番号に関
する最新動向」ですが、第5回となる本号では、「JPNICが管理するAS番号割り
当てにおける動向」をお届けします。

下記URLより、第1回~第4回(*)の内容もぜひ併せてご覧ください。

(*)数字で見るIPアドレス・AS番号に関する最新動向
 <第1回 IPアドレス管理指定事業者の動向>
   http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol650.html

 <第2回 IPv4アドレスの割り振りおよび割り当てにおける動向>
   http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol655.html

 <第3回 IPv6アドレスの割り振りおよび割り当てにおける動向>
   http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol660.html

 <第4回 JPNICが管理するプロバイダ非依存アドレス割り当てにおける動向>
   http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol663.html

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◆【特別連載】数字で見るIPアドレス・AS番号等に関する最新動向
   <第5回 JPNICが管理するAS番号割り当てにおける動向>
                                               JPNIC IP事業部 川端宏生
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AS番号は、統一された運用ポリシーによって管理されたネットワーク(AS)(*1)
を、インターネット上で一意に識別するための番号として利用されています。
日本では、現在、JPNICがAS番号の割り当てを行っています。今回は、JPNICが
管理するAS番号の割り当て動向をご紹介します。

◆AS番号とは

AS番号は、「BGPを利用して他のASとの間で外部経路制御情報を交換するこ
と」や「ASにおける外部経路制御ポリシーが、他のいかなるASとも異なるもの
であること」といった条件を満たし、申請時から3ヶ月以内に他のASと接続す
る予定であれば、IPアドレス管理指定事業者(以下、IP指定事業者)以外でも割
り当てを受けることが可能です。

BGP(*2)を利用した複数ASとの外部経路制御情報交換により、接続ASの一つと
経路情報の交換ができなくなった場合にも、他のASと経路情報を交換できるな
ど、接続回線の冗長化が可能となるため、安定したネットワークの運用をめざ
す組織がAS番号の割り当てを希望するようです。

JPNICでは、JEPG/IP(*3)が行っていたAS番号割り当てに関わる業務を引き継
ぎ、1997年8月7日からは、非公式サービスながら、条件を満たした申請者に対
してAS番号の割り当てを行っていました。その後、IPアドレスの割り振りや割
り当てと同様に、申請文書やガイドライン等を整備し、2002年5月7日からは、
正式サービスとしてAS番号の割り当てを行っています。

当初AS番号は、16ビットの数字を用いて、全部で65,536個と決められていまし
たが、2007年1月には32ビットに拡張されました。2007年3月からはJPNICにお
いても、拡張された空間からの割り当てを行っています。この拡張された空間
から割り当てられたAS番号は「4バイトAS番号」(*4)と呼びます。従来のAS番
号は「2バイトAS番号」と呼び、区別しています。

JPNICでは現在、申請者の希望に応じて、2バイトAS番号または4バイトAS番号
の割り当てを行っています。しかし、2010年1月からは、2バイトAS番号と4バ
イトAS番号を区別しない形での割り当てを開始する予定です。割り当てを希望
する申請者が混乱しないよう、オペレーターコミュニティとも連携をして周知
を進めていきたいと考えています。

(*1)インターネット用語1分解説「ASとは」
    http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/as.html

(*2)インターネット用語1分解説「BGPとは」
    http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/bgp.html

(*3)JEPG/IP(Japanese Engineering and Planning Group/IP)
    インターネットの円滑な運用と順調な発展のため、中立な立場から技術
    的な調査検討を行い、必要な事項を勧告することを目的として設立され
    たグループ。1991年に発足し、2003年にはその役割を終え解散しました。

(*4)インターネット用語1分解説「4バイトAS番号とは」
    http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/as4bytes.html

◆AS番号割り当ての動向

ここからは、JPNICが管理するAS番号の割り当て状況をご紹介します。以下の
表は、JPNICから割り当てを行った年度毎のAS番号の数を、AS番号の種類別に
分類したものです。

  【JPNICが管理するAS番号の割り当て状況(2005年度~2008年度)】
   --------------------+----------+----------+----------+----------+
           年度            2005       2006       2007       2008
   --------------------+----------+----------+----------+----------+
       2バイトAS番号        31         24         27         16
       4バイトAS番号        --          1          6          6
   --------------------+----------+----------+----------+----------+
   総割り当て件数(累計)    603        628        661        683
   --------------------+----------+----------+----------+----------+

JPNICでは、近年、年平均25件前後のAS番号割り当てを行っています。2008年
度は2007年度に比べて、2バイトAS番号の割り当て件数が大きく減少しまし
た。

AS番号は、

・新たに割り振りや割り当てを受けたIPアドレスで、マルチホーム(*5)構成の
  ネットワークを構築する場合
・既に割り振りや割り当てを受けたIPアドレスで構築しているネットワークを
  マルチホーム化させる場合

等に、割り当てを受けます。2008年度の2バイトAS番号割り当て件数の減少
は、既存ネットワークのマルチホーム化を目的としたAS番号割り当て数の減少
によるものです。

AS番号の割り当てを受けたネットワークの運用には、利用者に提供するサービ
ス等に応じた運用方針を自ら決められるなどの長所があります。一方で、多く
の労力と費用がかかるといった短所があるため、新規ネットワークは既に構築
されたASに接続して運用する方が効率的である、と考える組織も多いようで
す。

また、既存ネットワークのマルチホーム化を考える組織は、今後も一定数ある
かとは思います。しかし既に多くのネットワークでマルチホーム化が進んでい
ることから、この目的での新たなAS番号の割り当ては、今後も減少するものと
考えられます。

4バイトAS番号は、2007年3月の割り当て開始から、およそ2年半が経過しまし
たが、その割り当て件数は伸び悩んでいます。これは4バイトAS番号に対応す
る機器やソフトウェア、経路制御オペレーションが普及途上にあり、実際に4
バイトAS番号を利用したネットワーク運用を開始できる状況にないことが、原
因の一つとなっていると考えられます。

(*5) インターネット用語1分解説「マルチホームとは」
     http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/multihome.html

                ◇                ◇                ◇

それでは、このAS番号はどのようなネットワークに対して分配されているので
しょうか。以下の表は、AS番号のネットワーク情報に登録された組織名を元
に、各組織で行っているサービスや事業等で分類を行ったものです。

     【サービス別に見た割り当てAS番号数(2009年5月末時点)】
      ----------------------------------------------------------
                  分         類               AS番号数   構成比
      ----------------------------------------------------------
        一般ISP(CATVインターネット以外)          132     22.64%
        CATVインターネット                       104     17.84%
        インターネットデータセンター              79     13.55%
        ホスティングサービス                      43      7.38%
        ASP/コンテンツプロバイダ                  23      3.95%
        学術機関・公共団体など                    93     15.95%
        移動体通信事業者・IXPなど                 24      4.12%
        企業ネットワーク等への割り当て            71     12.18%
        その他(分類不能の組織等)                  14      2.39%
      ----------------------------------------------------------
                                      合  計     583    100.00%
      ----------------------------------------------------------
     (注)2009年5月末までにJPNICに返却されたAS番号(70個)、および、
         今後割り当てを行う予定のAS番号(30個)は、上記に含まれてい
         ないため、【JPNICが管理するAS番号の割り当て状況(2005年度~
         2008年度)】の2008年度の総割り当て件数とは一致しません。

割り当てられたAS番号の約65%が、インターネット接続やインターネットデー
タセンター、ホスティング、ASPやコンテンツプロバイダ等、顧客やエンド
ユーザーへのサービスを提供するためのネットワークに対して割り当てられて
います。これらのサービスでは、インターネットへの接続を途切れさせないよ
うにすることが必要ですが、既に構築されたASを利用してサービスを提供する
場合には、利用するASの運用ポリシーに依存することとなり、独自のサービス
提供レベル等を設定することが難しくなります。この解決策として、AS番号の
割り当てを受け、独自のポリシーで安定したネットワーク運用をめざしている
のではないでしょうか。

その他の分類では、インターネットエクスチェンジポイント(IXP)のネット
ワークへの割り当てが24件中13件、残りは移動体通信事業者のネットワークと
なっています。やはり、顧客に対して安定したサービスの提供をめざしている
点は、インターネット接続サービスやインターネットデータセンター等と変わ
りないようです。

一方、学術機関や公共団体、企業ネットワークなどにも、AS番号の割り当てが
行われています。インターネット接続サービスやインターネットデータセン
ター等と比べれば、ネットワークの利用者は限られますが、ネットワークの規
模が大きくなる場合には、利用者に安定したインターネット環境を提供するこ
とが必要となります。そのため、AS番号の割り当てを受けて、ネットワークの
運用を行うケースが多いと考えられています。

◆最後に

今回は、JPNICが管理するAS番号割り当てにおける動向をご紹介しました。最
終回となる次回は、分配されたIPアドレスやAS番号が登録され、経路制御に関
わるオペレーションの際に参照される、IRR(*6)について、JPNICが提供する
JPIRRサービスの最新動向をご紹介します。

(*6) IRR(Internet Internet Routing Registry)
     インターネット用語1分解説「IRRとは」
     http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/irr.html


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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