インターネットとは
語源と定義
まずはインターネットとは何かをはっきりさせましょう。 もともとinterとは中間とか間、相互といった意味を持ちます。 internationalなら国際ですし、intercessionなら仲介です。 ですから、語源的にはネットワークとネットワークをつなぐものが、 すなわちインターネットです。 英語だと、小文字で始まるinternetがこれに相当して、 LANとLANをつないだもの、 というイメージになります。
対して日本でインターネット、 英語では大文字で始まるThe Internetのほうは、 もっと限定的です。 これはIPという約束に従って接続された、 世界規模のコンピュータネットワークを意味します。
運営主体
インターネットはだれが運営しているのでしょうか。 実は、特定の団体が運営しているわけではないのです。 強いてあげれば、 ICANN (The Internet Corporation for Assinged Names and Numbers)と IETF (The Internet Engineering Task Force)でしょうか。
資源管理の観点で言うと、 長らく南カリフォルニア大学情報科学研究所(ISI)がアメリカ政府からの委託を受けIPアドレスとドメイン名を管理しており、 後にそのプロジェクトをIANA(Internet Assigned Numbers Authority)と呼ぶようになりました。 ドメイン名の登録業務に関しては、 アメリカ政府からスタンフォード研究所(SRI)に委託されていましたが、 その後ネットワーク・ソリューションズ社に移管されました。 こうした背景のもと、 アメリカでは1993年にゴア副大統領(当時)が情報ハイウェイ構想を発表し、 急速にインターネットが普及し始めました。 5年後の1998年、 IANAが担ってきた機能に関する権限をアメリカ政府から移行する目的で組織されたのがICANNです。 その設立には、アメリカ政府の発表したグリーンペーパー、 ホワイトペーパーが強く影響しています。 現在ではIPアドレス、ドメイン名、 プロトコル、 ポート番号はICANNが管理しています。 しかし歴史的経緯から、 いまだにその機能のことを差してIANAと呼んでいます。
ICANNが資源管理を担う一方、 技術面での責を担うのがIETFです。 ここでは、 RFC (Request For Comments)と呼ばれる、 一連の技術文書を発行しています。 これは独占的なものではなく、誰でも自由に使えます。 それどころか正式なRFCとして採用されるためには、 素案の段階で独立した複数の開発が行われて、 相互に運用可能であることが確認されなければならないくらいです。
特筆すべきは、 ICANN、 IETFともに非常に開かれた組織で、 原則として誰でも参加できるという点でしょう。