IRRオブジェクトガーベジコレクタについて
登録されてから長期間に渡って更新されていないオブジェクトの発生を防ぐことにより、 データベース登録情報の精度向上が期待できます。 JPIRRでは、IRRオブジェクトガーベジコレクターの仕組みを導入しています。
更新期限の確認
下の検索ボックスに、 JPIRRに登録されたmntnerオブジェクト名を入力して「検索」ボタンを押すと、 そのmntnerオブジェクトで管理されるすべてのオブジェクトに関する情報が表示されます。 更新期限の前後に関わらず、検索は任意のタイミングで可能です。
例) MAINT-JPIRR
検索結果のうち、「This object will expire on」のあとに続く日付が、 更新期間満了日です。 この部分が赤字で表示されている場合、 そのオブジェクトは更新期間を満了した状態です。 更新のタイミングを決定する際の参考としてもご利用ください。
こんなときは?
Q1. 更新する際に修正の必要がない(内容に変更がなく、
ただ登録だけを継続したい)場合にはどのように対応すれば良いですか?
A1. changed属性中の登録日のみ変更したものをメールで提出してください。
Q2. オブジェクトの登録/更新のためのメールの送信先はどこでしょうか?
A2. auto-dbm@nic.ad.jp宛てに送信していただければ機械的に処理されます。
なおhtml形式ではなく、plain text形式のみ処理が可能です。
エラーが返ってくる場合には、メールの形式をご確認ください。
Q3. 「登録オブジェクトの削除処理のご報告」という件名のメールを受け取ったのですが、どうすればオブジェクトを元に戻せますか?
A3. この通知を受け取られた時点で、
当該オブジェクトに関する情報の一切がJPNICから消失しております。
ご自身で再度新しくご登録いただくか、
irr-admin@nic.ad.jpまでお問い合わせください。
そのほかJPIRRについてよくあるご質問については、 Q&A-JPIRRについてもご覧ください。
オブジェクトの状態遷移
各オブジェクトは、 changed属性に含まれる最終更新日により以下に挙げる三つの状態に分類され、 その分類に従って適切に処理されます。
- 新規登録 / 更新済み
- オブジェクトが新規に登録、または更新された状態です。
- 更新期間満了
- オブジェクトが、設定された更新期間を満了した状態です。 この時点では、IRRデータベース上のオブジェクトには変更は加えられていません。
- 削除処理
- 更新期間の満了後、 待機期間を経過したオブジェクトは IRR データベースから削除されます。 削除されたオブジェクトは、閲覧が一切不可能な状態となります。
この分類をもとに、 各オブジェクトは以下の図に示した通りに処理されます(更新期間がデフォルトの12ヶ月間の場合)。
- まず、オブジェクトが新規に登録あるいは更新された場合に、 初期状態である 「新規登録/更新済み」状態となります。
- 初期状態から12ヶ月の間にオブジェクトに更新が無かった場合「更新期間満了」状態となります。 「更新期間満了」状態となるまでの間にオブジェクトが更新された場合には、 「新規登録/更新済み」状態に戻ります。
- 「更新期間満了」状態からさらに2ヶ月の間に更新が無かった場合「削除処理」が行われます。 この2ヶ月の間に更新された場合は「新規登録/更新済み」状態に戻ります。
更新期間の設定と通知の発行
ここでは、各種通知が発行される時期について説明します。 通知は「更新期間満了」までに1回、 さらにそのあと「削除処理」までに2回発行されます。 なお、カッコ内の日付は例として2021年01月20日に更新されたオブジェクトに対して、 これらの処理が行われる日を示しています。
-
通知① 更新期間満了月の初日(2022年01月01日)
「登録オブジェクトの更新期間満了の通知」という件名の通知が発行されます。 -
通知② 削除処理月の初日(2022年03月01日)
「登録オブジェクトの削除処理の1ヶ月前通知」という件名の通知が発行されます。 -
通知③ 削除処理月の最終日(処理直後)(2022年03月31日)
「登録オブジェクトの削除処理のご報告」という件名の通知が発行されます。
これらの通知はmntnerオブジェクトのmnt-nfy属性に記載されているメールアドレスに対して発行されます。 通知対象となった複数のオブジェクトが同一のmntnerオブジェクトに属している場合は、 それらのオブジェクトの通知をまとめて、 一つのメンテナー宛ての通知として送信します。
メンテナーによる更新期間の設定
「更新期間満了」状態になるまでの期間は、デフォルト設定では12ヶ月です。 デフォルト設定以外にも、 mntnerオブジェクトのdescr属性にexpire指示子を記述することで、 最短3ヶ月から最長24ヶ月まで1ヶ月単位で任意の期間を設定することが可能です。 なお、この設定はmntnerオブジェクトに登録した場合のみ有効です。 RouteオブジェクトやAut-numオブジェクトなど、 mntnerオブジェクト以外のオブジェクトにexpire指示子を記述しても設定は反映されませんのでご注意ください (ただし記述いただいても無視されるだけで、エラーにはなりません)。 独自に更新期間を設定された場合、 当該mntnerオブジェクトおよびこれに属するその他のオブジェクトの更新期間が、 一律にexpire指示子で指定した値に設定されます。
例えば、 更新期間を6ヶ月に設定する際には以下のようにexpire=6と指定します。
mntner: : MAINT-EXPIRETEST
descr : People authorized to make changes for JPIRR expire=6
admin-c : AB000JP
tech-c : CD000JP
upd-to : update@example.ad.jp
mnt-nfy : admin-notify@example.ad.jp
auth : RYPT-PW gWWEe./rmCKKF
mnt-by : MAINT-EXPIRETEST
changed : admin@example.ad.jp 20220218
source : JPIRR
また、以下の例のように、 複数行にわたるdescr属性の中に記述することも可能です。 ただし、expire指示子自体は単一行の中に収まるように記述してください。
mntner: : MAINT-EXPIRETEST
descr : People authorized to make changes for JPIRR
expire=6
admin-c : AB000JP
tech-c : CD000JP
upd-to : update@example.ad.jp
mnt-nfy : admin-notify@example.ad.jp
auth : RYPT-PW gWWEe./rmCKKF
mnt-by : MAINT-EXPIRETEST
changed : admin@example.ad.jp 20220218
source : JPIRR
参考情報
JPIRR におけるガーベジコレクター導入の経緯
陳腐化したオブジェクトは現実のネットワークの情報と乖離している場合が多く、 結果的にIRRデータベースの信頼性を下げることにつながります。 これはIRRデータベースの「ごみオブジェクト問題」として以前から問題視されていたものの、 実際にこの問題への対策はとられて来ませんでした。 「ごみオブジェクト問題」については、 2003年7月24日に開催された第一回JPIRR BoFでも取り上げられました。 議論の詳細については JPIRR BoF議事録 をご覧ください。
以上