IPv4アドレスの審議について
審議とは
APNIC、JPNICやIPアドレス管理指定事業者(以下、IP指定事業者)など、 IPアドレス管理を行う全てのレジストリは、 グローバルIPアドレスを下位ネットワークに割り当てる時、 下位ネットワークがIPアドレスポリシー(日本でJPNICポリシー) に沿ってグローバルIPアドレスを使用していくことを確認する作業を行います。 これを「審議」と言います。
インターネットレジストリは、 審議を通して有限な資源であるグローバルIPアドレスが有効に使用されるようアドレス管理を行っています。
IP指定事業者は、自身のインフラに割り当てを行う際、 ユーザネットワークに割り当てを行う際、ともに審議を行います。 また、審議は割り当てるIPアドレスのサイズがアサインメントウィンドウサイズ以上、 以下に関わらず行います。
JPNIC審議
JPNIC審議は、IP指定事業者自身のインフラネットワークに対する割り当てと、 アサインメントウィンドウサイズより大きいユーザネットワークへの割り当てに対して行います。
IP指定事業者のインフラネットワークに対する割り当てについては割り振り申請時に審議を行いますので、 割り当ての際に必要となることはありません。 アサインメントウィンドウサイズより大きいユーザネットワークへの割り当てについては割り当て申請の際に、 あらかじめJPNIC対して割り当て審議申請を行っていただくことになります。
JPNIC審議は、IP指定事業者がローカルインターネットレジストリとしての自覚を高め、 スキルを身につけていただくことを目的としています。
JPNICはJPNIC審議の中でIP指定事業者とともに審議を行い、 IP指定事業者がRFC2050、JPNICポリシーに基づいたアドレス管理業務を習得し、 自らでIPアドレス割り当て管理業務を遂行できるようになっていただくことを目指しています。
アサインメントウィンドウ
アサインメントウィンドウとは、 IP指定事業者がJPNICに割り当て審議申請を行わずに割り当てができる最大のアドレス空間です。 アサインメントウィンドウのサイズはIP指定事業者ごとに決定されます。 そのため、 アサインメンドウィンドウサイズはIP指定事業者の経験値と考えることができます。
JPNICでは、審議申請毎に、IP指定事業者の業務熟達度を確認しており、 その業務熟達度により、 アサインメントウィンドウサイズの拡大や縮小が決定されます。
業務熟達度とは
業務熟達度とは、下記に挙げるようなアドレス管理業務に関する内容の理解度です。 IP指定事業者の業務熟達度は、審議申請毎に診断され、 アサインメントウィンドウサイズの審査において判断材料となります。
確認される項目は、 IP指定事業者に割り当てられるアサインメントウィンドウサイズによって異なります。
なお、ポリシーが変更された場合、 業務熟達度の判断基準は変更後のポリシーに沿ったものへ変更される可能性があります。
主に申請フォームから確認できる事項
- 申請書が、正しく記述されている。
- 返却、リナンバ完了時期について把握し説明されている。
- 二重割り当てや譲渡などの割り当てを行っていない。
- リナンバも含め、使用されなくなったアドレスに対して、適切な時期に返却手続きをとっている。
- ユーザー用ネットワークへの割り当てと、インフラ用ネットワークへの割り当てを区別して申請している
主にアドレス空間ポリシーの理解度を確認する事項
- アドレスが共有資源であることを理解し、自組織に割り振られたアドレスが永遠に自組織の持ち物となるのではなく、共有資源を一時的に貸与されたものであることを認識している。
- 現在のIPv4アドレスの利用状況から鑑みて、必要時に必要数を追加で割り当てていくインターネットレジストリの方針を理解している。
- アドレスが必要な理由を機器設置計画、過去の実績、ユーザ需要予測などの根拠資料によって明確に説明できる。
- 利用率(割り当てから直後25%以上かつ1年以内50%以上)を考慮した割り当てを、すでに割り当て済みであるアドレスの利用状況もふまえて行っている。
- ホスト数に見合った適切なサブネットサイズを切り、割り当てを行っている(悪い例:あるsubnetで5ホストの利用予測であるにも関わらず、/25などの大きなsubnetサイズを理由なく割り当てている等)。
- ユーザ用ネットワークへの割り当てについては、IP指定事業者のアサインメントウィンドウサイズを超えるかどうかに関わらず審議を行っている。
審議参考資料とは
JPNIC審議の際に、ネットワークの中でIPアドレスがどのように使用されているか、 または、これから使用される予定であるかを説明するために、 IP指定事業者からご提出いただく資料です。
審議参考資料は主として以下の二つの目的によりご提出いただいています。
- 申請されているアドレス数が、割当先のネットワークで必要とされる理由を理解するため。
- 具体的な根拠に基づいて申請されているのことを確認するため
(数だけではなく、ネットワークトポロジーや、機器構成や顧客獲得計画なども参考とします)。
- 『審議の際に必要な情報』(PDF、30KB)
- 提供するサービスごとに、審議の際にお知らせいただきたい情報をまとめたものです。
割り振り申請を行う
割り当て審議申請を行う
参考情報
- 『IPv4割り振り/割り当て申請のためのJPNICガイドライン』
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『IPv4割り振り/割り当て申請のためのAPNICガイドライン』
APNICのIPv4割り振り・割り当て申請のガイドラインを翻訳したものです。 参考訳としてご参照ください。